
営業の途中、時計を見るともう昼をとうに過ぎていた。
腹が減った(孤独のグルメ風)
何か軽く食べようか。
最悪、今日は昼抜きかな。
と、思いながら歩いていると通りの向こうに一軒の店が目に留まりました。
「おにぎり」
「豚汁」
その二本ののぼりが立っているだけの店構えが気になりました。
おにぎりカフェ。
悪くない。
むしろそれぐらいがいい。
歳をとるとそんなんでいい。
この時間ならおにぎりで十分。
若い頃は昼飯もガッツリ食べないと残念な気持ちを思い出すと自分が年をとったことを感じます。
目の前で握られる大きなおにぎり
おにぎりのイラストを書いた白い暖簾をくぐる。
暖簾をくぐって席につく。
おにぎりのメニューは豊富だった。
迷った時はその日のおすすめを頼む。
もちろん一緒に豚汁。
これでいい。
カウンター越しに目の前で握ってくれる大きなおにぎり。
大きくフワッと握られたおにぎりはコンビニのおにぎりとは一味違う。
かといってお母さんのぎゅっと握られたおにぎりとも違う。
少し硬めに炊かれた米粒が口の中でほどけていく。
具は上に乗せられているだけかと思ったら中にも沢山入っていてなんとも嬉しい気分。
単純だな。
幸せだ。
少し遅れて出てきた豚汁。
少し大きめのお椀。
大きさの揃えられたたくさんの種類の具がバランスよく。
具沢山は嬉しい。
店主の丁寧さ。
子どもの頃の味を思い出す
食べているうちに子どもの頃のことを思い出した。
母さんのぎゅっと握られたしょっぱいめのおにぎり。
野菜は大きく切られ、ごろごろと入ったジャガイモ。
そう、北海道はじゃがいもだ。
本州で里芋の豚汁が出てきた時は衝撃だった。
豚バラ肉の油が沢山浮いた豚汁。
あの味とは違うけどなんだか頭の中でリンクした。
チェーン店とは違う温かみ。
その時だけ時間がゆっくりに感じた。
これこそ食事を楽しむ時。
いつもの急いで食べる昼食とは少し違う。
そして店主の親子と思われる二人の女性の接客も良かった。
楽しい仕事の合間のひととき。
その手作りのおにぎりの大きさと温かさは午後からの仕事の力になる。
デザイナーとして感じた違和感
しかし私はその店のある部分にデザイナーとして違和感を感じていました。
それはメニュー。
いかにもAIで作られた小奇麗なものでした。
いかにもAIが作ったおにぎりのイラストたち。
いかにもAIのフォント。
いかにもAIの情報が多すぎる説明文。
一見きれいなカラフルなメニュー。
店主はきっとこれを満足して作ったことでしょう。
でも私はそのメニューに物足りなさを感じたのです。
デザインは伝わることが大切
手作り感の大切な、温かい時間を大切にしなければならないおにぎりカフェ。
デザイナー目線で言えばきれいなイラストや整ったメニューが必要とは思えなかったです。
私なら手書きでメニューを書くことでしょう。
下手な字でもいいのです。
毎日、その日のおすすめのメニューを添えて書く。
なぜならデザインは伝わることが大切だから。
思いが伝わることが大切だから。
デザインはただ綺麗なことが大切ではないのです。
AIを使うことの間違いを感じました。
昔の手書きの書き殴ったメニューが美味しそうに感じるお店もありませんか?
そんな昔の食堂に貼られた手書きのメニューもまたデザインなのです。
AIの罪深さを感じ。
お店を出たらまた忙しい日常へ。
デザインは想いを見る人に伝えることです。

株式会社ガイネット代表取締役 趣味は神社仏閣巡り 初めてホームページを作ったのは20年以上前。そこから2社ほどで修行し33歳でフリーランスに、色々あって今さら法人設立。WEBとデザインの何でも屋であり書家でありYouTuberです。