
ここ最近、AIで文章を作ることが珍しくなくなってきました。
ブログ記事の下書き。
SNS投稿の案。
メール文章の整理。
会社案内のたたき台。
採用ページの説明文。
商品紹介の文章。
これまで人が時間をかけて考えていた文章を、AIが短時間でそれらしく作ってくれる時代になりました。
中小企業にとっても、これは大きな変化です。
社内に広報担当者がいない会社でも、今までは手が回らなかった情報発信を進めやすくなりました。
文章を作るハードルが下がったこと自体は、とても良いことだと思います。
ただ、その一方で、最近ますます感じることがあります。
それは、AIで作られた文章が増える時代だからこそ、会社の言葉が以前よりもずっと大事になってきているということです。
整った文章と、伝わる文章は少し違う
AIが作る文章は、とても整っています。
丁寧で、読みやすくて、形としてはよくできています。
言い回しも自然ですし、ぱっと見では違和感がないことも多いです。
けれど、整っていることと、伝わることは、必ずしも同じではありません。
会社のホームページやブログ、採用ページ、SNSで本当に必要なのは、単に読みやすい文章ではなく、その会社らしさが伝わる文章です。
どんな会社なのか。
誰に向けて仕事をしているのか。
何を大事にしているのか。
どういう想いでその仕事をしているのか。
どんな人が対応してくれるのか。
なぜその会社に頼むべきなのか。
こうしたことが伝わって初めて、文章は会社の力になります。
ところが、AIにそのまま任せてしまうと、どうしても文章が一般的になりやすいのです。
AI文章は、どうしても“それっぽく”なりやすい
AIで作った文章を見ていると、よく出てくる表現があります。
お客様に寄り添います。
高品質なサービスを提供します。
地域密着で対応します。
丁寧かつ迅速に対応します。
安心してご相談ください。
もちろん、どれも間違った言葉ではありません。
実際にそういう姿勢で仕事をしている会社も多いと思います。
ただ、問題は、それだけでは他社との違いが見えにくいことです。
同じような言葉は、どの会社にも書けてしまいます。
どの業種にも使えてしまいます。
そして、AIはそうした“無難で整った表現”を作るのが得意です。
その結果、会社ごとの個性が薄くなり、読んだ人の記憶に残りにくい文章になってしまうことがあります。
つまり、AI文章が増えれば増えるほど、似たような言葉も世の中に増えていくということです。
だからこそ、その中で埋もれないためには、会社の言葉が必要になります。
会社の言葉とは、上手な文章のことではない
ここでいう会社の言葉とは、難しいコピーライティングのことではありません。
気の利いたキャッチコピーをひねり出すことでもありません。
もっとシンプルなことです。
その会社で実際に使われている言葉。
社長が普段大事にしている考え方。
スタッフがお客様に説明している言い回し。
現場でよく出てくる悩みや相談内容。
仕事をする中で積み重ねてきた経験。
お客様から実際によく言われること。
こうしたものが、会社の言葉です。
たとえば、同じ「丁寧に対応します」という言葉でも、
初めての方にも専門用語を使わずに説明することを大切にしています。
問い合わせの段階で不安を減らせるよう、最初のやり取りを特に丁寧にしています。
小さなことでも聞きやすい雰囲気を大事にしています。
ここまで具体的になると、その会社の姿勢が少しずつ見えてきます。
抽象的な言葉ではなく、実際の行動や考え方にまで落とし込まれているからです。
AI時代に強いのは、一次情報を持っている会社
AIは便利ですが、何もないところから本当の会社らしさを生み出してくれるわけではありません。
AIが作るのは、あくまで与えられた情報や一般的な知識をもとに整えた文章です。
つまり、元になる情報が薄ければ、出てくる文章も薄くなります。
逆に、元になる情報が具体的であればあるほど、文章の質は上がります。
ここで大切になるのが、一次情報です。
会社の現場で起きていること。
実際にあった相談事例。
お客様の声。
社長の経験。
スタッフの工夫。
地域で仕事をしている中で感じていること。
こうした一次情報は、その会社にしかありません。
そして、この一次情報こそが、AIでは簡単に代替できない価値になります。
AI時代に強い会社というのは、AIをうまく使う会社であると同時に、自社ならではの情報をちゃんと持っている会社でもあります。
会社の言葉がないと、信頼が積み上がらない
ホームページやブログ、SNSの役割は、単に情報を載せることだけではありません。
この会社はちゃんとしていそうだ。
この会社なら相談しやすそうだ。
この人たちは仕事を分かっていそうだ。
そういった信頼を少しずつ積み上げていくことが、大きな役割です。
ところが、文章がAIっぽく整いすぎていて、どこにもその会社らしさが見えないと、情報はあっても印象が残りません。
悪くはないけれど、心に引っかからない。
ちゃんとしていそうだけれど、他社との違いが見えない。
そうなると、価格や条件だけで比較されやすくなります。
中小企業にとって、これはあまり良い状態ではありません。
大企業のような知名度があるわけではないからこそ、言葉を通して人柄や考え方を伝えることが重要になるからです。
採用でも、会社の言葉はますます重要になる
この話は、お客様向けの情報発信だけではありません。
採用にも深く関わってきます。
最近は、求職者もホームページやSNSをよく見ています。
募集要項だけではなく、会社の雰囲気や考え方、働く人の感じが伝わるかどうかを見ています。
その時に、AIで整えただけの文章では、どうしても温度が伝わりにくくなります。
社員一人ひとりを大切にしています。
働きやすい職場づくりを目指しています。
未経験でも安心して成長できます。
こうした言葉も、もちろん必要です。
ただ、それだけでは本当にそうなのかが見えません。
未経験の人には、最初の数か月でどんなことを教えるのか。
現場ではどんな先輩がサポートしてくれるのか。
会社として、何を大切にして働いているのか。
どういう人に向いているのか。
ここまで言葉にできると、求職者にとってはかなり分かりやすくなります。
採用でも、会社の言葉があるかどうかで、伝わり方は大きく変わります。
AIを使うことと、会社の言葉を持つことは両立できる
ここまで読むと、AIを使うこと自体が悪いように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
AIはとても便利です。
記事の構成を考える。
見出しを整理する。
伝わりにくい文章を整える。
長い文章を要約する。
SNS投稿の案を出す。
こうした作業では、AIはかなり役に立ちます。
特に中小企業では、限られた人数でいろいろな業務を回していることが多いため、AIをうまく使うことは大きな助けになります。
ただし、大切なのは順番です。
最初から最後までAI任せにするのではなく、まず会社として伝えたいことを整理する。
誰に向けて書くのかを決める。
自社の経験や事例を集める。
社長や担当者の考えを言葉にする。
そのうえで、AIを補助役として使う。
この順番なら、AIはとても頼れる道具になります。
逆に、自社の情報が整理されていないままAIに丸投げすると、よくある一般論の文章ばかりが出来上がってしまいます。
AIを使うことと、会社の言葉を持つことは、対立するものではありません。
むしろ、会社の言葉があるほど、AIはうまく使えるようになります。
会社の言葉は、社長の頭の中や現場の会話の中にある
では、会社の言葉はどこにあるのでしょうか。
多くの場合、それは社長の頭の中や、現場で普段交わされている会話の中にあります。
なぜこの仕事を始めたのか。
お客様にどんな価値を届けたいのか。
他社との違いはどこにあるのか。
仕事をしていて嬉しかったことは何か。
どんな相談に強いのか。
どんな人に来てほしいのか。
実はこういう話を丁寧に聞いていくと、ホームページやブログに使える言葉はたくさん出てきます。
ところが、普段の仕事では当たり前すぎて、自分たちでは価値に気づいていないことも少なくありません。
それを整理して、外に伝わる形にしていくことが大切です。
文章が大事なのではなく、その前にある考え方や経験が大事なのです。
AI時代になったからこそ、その土台の部分がより問われるようになっています。
これからの情報発信で大切なのは、“うまさ”より“実体”
これから先、AIを使った文章はもっと増えていくと思います。
そうなると、表面的に整った文章だけでは差がつきにくくなります。
大切になるのは、その文章の奥に実体があるかどうかです。
本当にその会社が経験してきたことなのか。
本当に現場で感じていることなのか。
本当にお客様と向き合ってきた中で出てきた言葉なのか。
ここが見えてくると、文章は強くなります。
うまく書こうとしすぎなくても、実体のある言葉はちゃんと伝わります。
逆に、どれだけ綺麗に整っていても、中身が薄いと印象には残りません。
AI時代の情報発信では、うまい文章を書くこと以上に、何を持っている会社なのかが問われるようになります。
まとめ
AI文章が増える時代に、会社の言葉はますます大事になります。
AIは、整った文章を作るのが得意です。
だからこそ、そのまま使うだけでは、他社と似たような表現になりやすく、会社らしさが薄れてしまうことがあります。
中小企業の情報発信で本当に大切なのは、実際の経験や考え方、現場の空気、お客様との関係の中から出てくる言葉です。
それはAIだけでは作れません。
会社の中にある情報を整理し、自社の言葉として外に伝えていくことが必要です。
AIは、そのための補助役としてとても便利です。
ただし、主役になるのはあくまで会社自身です。
これからは、文章があることよりも、どんな言葉で、どんな実体を持って語っているかが問われる時代になっていきます。
ガイネットでは、ホームページ制作やブログ記事作成だけでなく、会社の強みや考え方の整理、文章設計、情報発信のサポートも行っています。
AI時代だからこそ、会社の言葉を整えたいと感じている方は、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか。
詳しくはお問い合わせください。

株式会社ガイネット代表取締役 趣味は神社仏閣巡り 初めてホームページを作ったのは20年以上前。そこから2社ほどで修行し33歳でフリーランスに、色々あって今さら法人設立。WEBとデザインの何でも屋であり書家でありYouTuberです。