
たこ焼きって、たまに急に食べたくなりませんか。
お祭りの屋台で買うたこ焼きも好きですし、家でたこ焼き器を出して、みんなで作る感じも楽しいですよね。
ただ、銀だこだけは少し別枠な気がします。
「あ、たこ焼き食べたいな」ではなく、
「あ、銀だこ食べたいな」になる。
これ、けっこうすごいことだと思っています。
たこ焼きという誰もが知っている食べ物の中で、銀だこは“銀だこのたこ焼き”として記憶されています。
銀だこを銀だこにしているもの
銀だこが記憶に残る理由は、やっぱりあの食感だと思います。
外側がカリッとしていて、中はトロッとしている。
一般的なたこ焼きのイメージとは少し違うかもしれません。
でも銀だこは、そこを中途半端にせず、自分たちらしい特徴として前に出しています。
普通、たこ焼き屋さんが全国展開しようとすると、「本場の味」や「大阪らしさ」を打ち出したくなると思います。
もちろん、それも強い価値です。
ただ、銀だこはそこに寄せきっていません。
むしろ、銀だこ独自の食感を作り、それを全国どこでも体験できるようにした。
ここがかなり面白いところです。
ありふれた商品ほど、記憶に残る特徴が必要になる
商品がありふれているほど、差別化は難しくなります。
たこ焼き、ラーメン、カレー、弁当、パン、焼き鳥。
どれも世の中にたくさんあります。
その中で選ばれるには、「美味しいです」だけでは足りません。
お客様が一言で思い出せる特徴が必要です。
銀だこで言えば、外側のカリッとした食感。
これは説明しやすいし、人に伝えやすい。
「銀だこって、外がカリッとしてるよね」
この一言で、銀だこらしさが伝わります。
ブランドは、こういう短く説明できる記憶を持てると強いのだと思います。
食べる場面を広げると、商品の価値も広がる
銀だこは、たこ焼きをおやつや軽食だけで終わらせていません。
銀だこハイボール酒場のように、お酒と一緒に楽しむ場面にも広げています。
同じたこ焼きでも、食べる場面を変えれば、価値も変わります。
子どもと一緒に食べるたこ焼き。
買い物途中に食べるたこ焼き。
手土産として買うたこ焼き。
仕事帰りにハイボールと一緒に食べるたこ焼き。
商品そのものは大きく変えなくても、使われる場面を増やすことで市場は広がります。
ここは、マーケティング的にかなり学べる部分だと思います。
広告やデザインでも「らしさ」は必要になる
広告やデザインでも同じです。
「うちは丁寧です」
「品質にこだわっています」
「実績があります」
もちろん、どれも大事なことです。
ただ、それだけでは記憶に残りにくい。
大事なのは、その会社ならではの**“銀だこでいう外カリ感”**が何なのかを見つけることです。
他社と比べたときに、何が違うのか。
お客様が人に説明するとき、どんな言葉で紹介してくれるのか。
どんな場面で思い出してもらえるのか。
ここまで整理できると、発信はかなり強くなります。
まとめ
銀だこは、たこ焼きを売っているようで、実は「銀だこらしい食感」と「食べる場面」を売っているのだと思います。
だから、ただのたこ焼きではなく、銀だことして記憶されている。
ありふれた商品でも、切り取り方次第でブランドになる。
そして会社の発信も同じです。
ただサービス内容を並べるだけではなく、その会社ならではの特徴を、短く伝わる言葉や印象に落とし込むこと。
その特徴が、お客様の記憶に残る形になっていること。
銀だこを見ていると、ブランディングとは「違いを作ること」だけではなく、
違いを思い出せる形にすること
なのだと感じます。
デザイン系の専門学校卒業後、WEB動画系会社、フリーランスを経て現職へ。株式会社ガイネット取締役。映像制作、SNSプロデュース、グラフィックデザイン、イラストを手掛ける。