WordPressがメジャーアップデート

20260609

WordPressがメジャーアップデートされました。

バージョン7.0。
「Armstrong(アームストロング)」
ジャズの巨匠、ルイ・アームストロングにちなんだものらしい。

WordPressのメジャーアップデートには、毎回ジャズミュージシャンの名前がつく。

世界中で何千万ものサイトを動かしている仕組みの裏側にある遊び心。

さて、メジャーアップデートということで調べてみた。
仕事柄、これは無視できません。
WordPressでサイトを作ることが多いし、クライアントさんのサイトもWordPressで動いているものがたくさんあるから。
「大きな更新が来ました」と言われたら、まず中身を確認しておいたほうがいい。

そもそもWordPressって、まだそんなにすごいの?

本題に入る前に、少しだけ前置き。

最近はノーコードのサービスやら、AIで一発でサイトを作るツールやらいろんなものが出てきている。
「もうWordPressの時代は終わった」みたいな言葉もたまに見かける。

でも、現実はそうでもない。
世界中のWebサイトのうち、いまだに4割前後がWordPressで動いているらしい。
これは本当にすごい数字。
街を歩いていて目に入る看板の4枚に1枚以上が同じ仕組みで作られているようなもの。

その「世界の屋台骨」とも言える仕組みが最大規模のアップデート。
だから、無視はできない。

今回の主役は「AI」だった

調べていて、まず目に飛び込んできたのが「AI」という言葉。

今回のWordPress 7.0は、AIをWordPressの本体(コア)に組み込むという方向に大きく舵を切ったらしい。
これがいちばんの目だ。

ただ、「WordPressを開いたら、AIが勝手に文章を書いてくれる」という話ではない。

正確に言うと、今回入ったのは「AI Client」という仕組みと、「Connectors(コネクターズ)」というAIプロバイダーをまとめて管理する場所。
たとえるなら「AIをつなぐためのコンセントと配線」が標準装備されたという話に近い。

これまでは、AI機能を使いたければプラグインを一つひとつ入れる必要があった。
あの会社のAIにはあのプラグイン、別のAIには別のプラグインという具合に。
プラグインがどんどん増えてごちゃごちゃしていく。
これがけっこうな悩みのタネ。

それが今回、WordPressの本体側に「AIをつなぐための共通の入り口」が用意された。
しかも特定の会社のAIに縛られない作りになっている。
あっちのAIが良ければあっちに、こっちが良ければこっちにと切り替えられる。

これは、地味だけどかなり大きな話だと思う。
家でいえば、これまで延長コードをタコ足配線でつないでいたのが壁にちゃんとしたコンセントが付いたというようなものだ。
派手さはないが、ここから先の「AIとWordPressの付き合い方」の土台になる部分だろう。

作る側として「お、これは使える」と思った新機能

作り手目線で「これは現場で役に立ちそうだ」と思ったものをいくつか。

まず、ブロックごとに「カスタムCSS」が書けるようになった。
ざっくり言うと、デザインの細かい調整が、ブロック単位でできるようになった。
これまで追加のプラグインや小細工で対応していた部分が本体だけで完結する場面が増えそう。

次に、ブロックの「表示・非表示」を画面のサイズごとに切り替えられるようになった。
「この要素はスマホでは隠したい」「パソコンのときだけ見せたい」といった調整がやりやすくなる。
レスポンシブ対応(スマホ・パソコン両対応)は当たり前だがその作業がちょっと楽になるのかも。

「パンくずリスト」のブロックが、標準で用意された。
検索エンジン向けの構造化データ(schema)に対応した形で出力できるらしい。

パンくずリストというのはSEO的にも効くし、訪問者の使い勝手も良くなる。


それが追加プラグインなしで、しかも検索エンジンが理解しやすい形で出せるというのは、SEOを意識して作る身としては嬉しい変更。

他にも、動画を背景に使う「カバーブロック」がURL指定の動画にも対応したり、PHPだけでブロックを登録できるようになったりと作り手向けの改善がいろいろと入っている。

目玉機能が消えたこと

じつは、このWordPress 7.0は、リリース前まで「リアルタイム共同編集」という機能が目玉として大きく取り上げられていた。

これは、GoogleドキュメントやNotionのように、複数の人が同じページを同時に編集して誰かが変更したらリアルタイムで画面に反映されるという機能。
チームでサイトを運用している人にとっては待ち望んでいた機能。

リリース直前の段階で、テスト中にバグや動作の問題が多く見つかったため今回の7.0からは見送られることになったらしい。

もし、どこかで「WordPress 7.0で、みんなで同時に編集できるようになりました!」という話を見かけても、それは今回は入っていない、ということだ。
事前の前評判が大きかったぶん情報が混ざりやすい。

「すぐ更新していいの?」という疑問について

ここまで読んで、「じゃあ自分のサイトもすぐ更新したほうがいいのかな」と思った方もいるかもしれません。

メジャーアップデートは、慌てて飛びつかないほうがいいです。

これは決して、今回のWordPress 7.0が危ないという意味ではありません。
むしろ中身はしっかりした良いアップデートだと思います。

ただ、メジャーアップデートというのは本体の根っこの部分が大きく変わるということです。
そうなると、いま使っているプラグインやテーマ(デザインの土台)が新しいバージョンとうまく噛み合わなくなることがあります。

とくに、複数のプラグインを組み合わせていたり、オリジナルで作り込んだサイトだったりすると、ある日突然、表示が崩れたり機能が止まったりすることがあります。
これは誰のせいでもなく、ただ「噛み合わせ」の問題で起きることなのです。

おすすめの手順はこうです。

  • まず、本番のサイトとは別の「テスト環境」で動かしてみる
  • 使っているプラグインやテーマが新バージョンに対応しているか確認する
  • 更新する前に、必ずバックアップを取っておく
  • もし何かあったら、すぐ元に戻せる状態を作っておく

面倒に感じるかもしれませんがこの一手間が、後々の大きなトラブルを防いでくれます。
リリースから少し時間をおいて、世の中の様子を見てから更新するというのも賢い選択です。

もし「自分でやるのは不安だな」と感じたらこういうときこそ専門家の出番です。
テスト環境での確認から、バックアップ、更新作業、トラブル対応まで、まとめてお任せいただけます。

今回のWordPress 7.0を調べてみて、いちばん感じたのは「派手さより、土台」という感じ。

AIをつなぐための仕組みであり、使いやすくなった管理画面であり、作り手のための細かな改善。

Web制作の現場にいる人間からすると、こういう「土台の進化」こそが、いちばん影響の大きい話だったりします。

WordPressの更新でお困りのことや、「うちのサイトは大丈夫だろうか」と気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

もう少し触ってみないと分からないところはありそうなのでまた気がついたことがあれば書きたいと思います。

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