
北海道で商売をしていると、「もう少し問い合わせを増やしたい」という話をよく聞きます。
ホームページを見直したり、Instagramを始めたり、Googleマップの情報を整えたり。広告を使う会社もあります。
もちろん、どれも大切です。
ただ最近は、集客そのものよりも、そのあとの流れが気になることがあります。
せっかくお客様が興味を持ってくれたのに、予約や問い合わせのところで少し面倒になっていないか。
そこです。
たとえば「詳しくはお電話ください」と書いてあるホームページ。昔なら当たり前でしたし、今でも電話のほうが合っている業種はたくさんあります。
でもお客様から見ると、「今、空いているかな」と思った瞬間に予約できる会社と、営業時間になってから電話しなければならない会社では、少し差があります。
今日は集客方法を増やす話ではなく、見つけてもらったあとに、どうやって予約や問い合わせにつなげるか。その流れを考えてみたいと思います。
問い合わせが増えたら、現場が忙しくなった
ホームページを見直してアクセスが増えた。Google検索から来る人も増えた。問い合わせも少しずつ増えてきた。
ここまでは、とても良い話です。
ところが、その問い合わせが全部電話だったらどうでしょう。
接客中に電話が鳴り、作業中にも電話が鳴る。「来週の火曜日は空いていますか」と聞かれて予定表を確認し、「その時間は埋まっています」と答える。
すると今度は「水曜日はどうですか」となる。
予約が一件入るまでに何度かやり取りが必要になることもあります。
美容室、飲食店、整備業、工事業、宿泊施設、教室など、業種によって形は違いますが、似たことは起きています。
問い合わせが増えること自体はうれしい。でも増えた分だけ、現場の手が止まってしまう。
集客がうまくいった結果、受付が大変になる。ちょっと不思議な話ですが、実際にはよくあります。
北海道では「あとで電話」が意外と遠い
北海道の場合、予約までの流れは特に大事だと思っています。
理由の一つは距離です。
旭川から富良野へ行く人もいれば、札幌から旭川へ来る人もいます。道外から旅行や出張で来る方なら、土地勘がない状態でお店や施設を探していることもあります。
その人たちは、今日行く場所だけを探しているわけではありません。
来週の旅行、来月の出張、冬のタイヤ交換、春から始めたい習い事。少し先の予定を調べながら、スマートフォンで比較しています。
そのときに、料金や内容を見て、そのまま空き状況が確認できて予約まで終わる会社は分かりやすい。
一方で「詳しくはお電話ください」で止まると、一度流れが切れます。
「明日電話しよう」と思ってページを閉じたまま、そのまま忘れてしまう。
僕自身もあります。
だから、予約のしやすさというのは、単なる便利機能ではなく、集客の続きとして考えてもいいのではないかと思っています。
集客と受付は、別の話ではない
集客の相談になると、どうしても入口の話が中心になります。
検索で上位に出したい。SNSから来てもらいたい。広告を使いたい。
もちろん、その入口は大切です。
ただ、その先でお客様が迷っていたら、せっかくの集客も十分に生きません。
Googleで見つける。ホームページを見る。サービス内容を確認する。料金を見て「ここにお願いしてみよう」と思う。
そこから予約や問い合わせに進み、実際の来店や商談につながる。
本当はここまでが一つの流れです。
広告だけが集客ではありませんし、ホームページを見てもらうことがゴールでもありません。
「お願いしたい」と思った人が、迷わず次へ進めるか。
ここまで見て初めて、集客の仕組みになると思います。
ホームページには、もう少し働いてもらってもいい
昔のホームページは、会社案内の役割が大きかったと思います。
会社概要があって、サービス紹介があって、住所と電話番号が載っている。それだけでも十分価値がありました。
今は、そこからもう少し仕事をしてもらえるようになっています。
美容室ならメニューを確認して、そのまま予約へ進む。飲食店なら地図や営業時間を確認して予約する。工事会社なら施工エリアやおおよその流れを見たうえで相談を送る。
問い合わせ前に知りたいことを、ある程度ホームページ側で答えておくこともできます。
これは人を減らすためというより、人にしかできない仕事へ時間を使うためです。
毎回同じことを電話で説明しているなら、その説明の一部をホームページに任せてもいい。
予約時間の調整に多くの時間を使っているなら、空き状況を確認できる仕組みがあってもいい。
ホームページを会社案内ではなく、受付の一部として考えてみると、見え方が少し変わります。
予約システムを入れれば解決、ではありません
こういう話をすると、「では予約システムを入れればいいんですね」となりやすいのですが、僕は必ずしもそうは思いません。
高機能なシステムを入れても、予約件数が少なければ管理するものが増えるだけです。
お客様の多くが電話で相談したい業種なら、無理にオンライン予約へ変える必要もありません。
まず見てみたいのは、今どんな問い合わせが来ているかです。
電話が多いのか。メールなのか。LINEなのか。同じ質問が何度も来ていないか。空き状況を確認するだけの電話が多くないか。
ここを整理すると、必要な仕組みは会社ごとに違うことが分かります。
予約システムが必要な会社もあれば、問い合わせフォームを少し直すだけでいい会社もあります。
料金表を分かりやすくするだけで電話が減る場合もありますし、「よくある質問」を追加するだけでお客様が迷わなくなることもあります。
大きな仕組みを入れる前に、小さな詰まりを探す。
そのほうが現実的です。
よく聞かれる質問は、改善のヒントになる
電話でよく聞かれることを思い出してみると、ホームページ改善のヒントが見つかることがあります。
「駐車場はありますか」
「料金はいくらですか」
「市外でも来てもらえますか」
「何日前までに予約すればいいですか」
「冬も対応していますか」
こうした質問が毎日のように来ているなら、お客様は知りたい情報をホームページで見つけられていないのかもしれません。
ここで面白いのは、「問い合わせを増やすこと」と「問い合わせを減らすこと」が両立することです。
仕事につながる相談は増やしたい。
でも、ホームページを見れば分かる確認電話は減らしたい。
それは矛盾ではありません。
むしろ、お客様にとっても会社にとっても、そのほうが気持ちよくやり取りできます。
北海道の冬を考えると、仕組みのありがたさが分かる
北海道で仕事をしていると、予定通りにいかない日はあります。
雪が降れば道路状況が変わりますし、急な予約変更やキャンセルが重なることもあります。
そんな日に、予約確認や変更の電話が何本も続いたら、現場はかなり忙しくなります。
予約時に自動で確認メールが届く。前日に案内が届く。変更方法があらかじめ分かる。
こうした仕組みだけでも、受付する側の負担は少し変わります。
何でも自動化する必要はありません。
人が話したほうが安心できるところは、人が対応したほうがいい。機械で十分なところだけ、仕組みに任せる。
そのくらいの考え方でいいと思っています。
最近は何でも「DX」や「AI」と呼ばれますが、もっと単純な話です。
人がやらなくてもいい仕事を、少しだけ減らす。
それだけでも会社は動きやすくなります。
集客を考えるなら、一度自分で予約してみる
自分の会社をGoogleで検索してみる。
スマートフォンでホームページを開き、初めて来たお客様のつもりでサービスを探してみる。そして実際に問い合わせや予約をしてみる。
これをやると、意外なところで引っかかることがあります。
予約ボタンが見つからない。
問い合わせフォームの入力項目が多い。
料金がどこに書いてあるのか分からない。
営業時間が古い。
経営者やスタッフは会社のことを知っているので、こうした部分に気付きにくいものです。
でも初めて来たお客様は、何も知りません。
その差を埋めるのが、ホームページや予約の仕組みの役割なのだと思います。
集客を増やす前に、流れを整える
もっと問い合わせを増やしたい。
そう思ったとき、広告やSNSを考えるのは自然です。
ただ、その前に一度だけ、お客様が自社を見つけてから予約するまでの流れをたどってみてください。
見つけやすいか。
内容は分かるか。
料金は想像できるか。
問い合わせしやすいか。
予約したあとに不安は残らないか。
そこで見つかる小さな面倒を一つずつ減らしていくと、同じアクセス数でも結果が変わることがあります。
集客というと、どうしても「人を連れてくること」に目が向きます。
でも本当は、その人が迷わず入ってこられる入口を作ることも集客の一部です。
北海道の中小企業は、大きな会社のように人を増やせるとは限りません。
だからこそ、たくさん集めて人力で対応するよりも、必要な人に見つけてもらい、分かりやすく案内し、無理なく受け付ける。
そんな仕組みのほうが合っている会社も多いのではないでしょうか。
ホームページを作り直す前に、広告を増やす前に。
一度、お客様になったつもりで自分の会社を見てみる。
そこで感じた「ちょっと面倒だな」。
案外そこに、次の集客のヒントが隠れている気がします。

株式会社ガイネット代表取締役 趣味は神社仏閣巡り 初めてホームページを作ったのは20年以上前。そこから2社ほどで修行し33歳でフリーランスに、色々あって今さら法人設立。WEBとデザインの何でも屋であり書家でありYouTuberです。