串鳥は串を売っているのか、それとも“誘いやすさ”を売っているのか

ChatGPT Image 2026年5月29日 20 10

「今日、軽く飲んで帰りますか」

この一言のあとに、候補に上がりやすい店ってありますよね。

高すぎる店だと、ちょっと構える。
安すぎる店だと、少し雑に感じる。
おしゃれすぎる店だと、相手を選ぶ。
予約必須の店だと、気軽さがなくなる。

そのちょうど真ん中あたりに、串鳥がいる気がします。

串鳥は、すごく特別な日に行く店というより、
「今日は串鳥でいい?」ではなく、
「今日は串鳥がいい」
と思える店です。

この違い、けっこう大きいと思っています。

すすきのから始まった焼鳥専門店

串鳥は、1980年にすすきので第1号店をオープンした焼鳥専門店です。

現在は北海道だけではなく、仙台や東京にも店舗があります。

そして公式サイトを見ると、串鳥は全店直営で、1店1店を丁寧に地道に展開していることがわかります。

ここが、かなり大事だと思います。

飲食店が広がっていくとき、フランチャイズで一気に店舗を増やす方法もあります。

もちろん、それもひとつの成長です。

ただ、串鳥は全店直営。

つまり、味、接客、価格感、店の空気感を、自分たちでコントロールしながら広げてきたということです。

この地道さが、串鳥らしさを支えているのだと思います。

串鳥の価値は「焼き鳥が食べられること」だけではない

串鳥の強さは、焼き鳥そのものだけではありません。

もちろん、焼き鳥を手頃に食べられることは大きな魅力です。

ただ、それ以上に大きいのは、
安心して誘える店になっていること
だと思います。

飲み会のお店選びは、意外と難しいものです。

相手との関係性、予算感、店の雰囲気、食べ物の好み。

一軒目なのか、二軒目なのか。
がっつり食べたいのか、軽く飲みたいのか。

いろいろ考えます。

その中で串鳥は、かなり失敗しにくい選択肢です。

気取らなくていい。
でも、雑すぎない。
価格も読みやすい。
食べ物もわかりやすい。
焼き鳥だけど、ちゃんと食事にもなる。
会社の人とも、友人とも行きやすい。

この「誘いやすさ」は、飲食店にとってかなり大きな価値だと思います。

“ちょうどいい”は、実はかなり強いポジション

商売は、必ずしも「高級」か「激安」だけではありません。

むしろ、お客様にとって
ちょうどいい場所
を取れている会社は強いです。

串鳥は、高級焼き鳥店のように背伸びする店ではありません。

かといって、安さだけで勝負する店でもありません。

軽く飲める。
ちゃんと食べられる。
相手に気を使わせない。
でも、満足感がある。

この絶妙な立ち位置が、串鳥の強さだと思います。

「串鳥でいい?」ではなく、
「串鳥がいい」と思える。

それは、単に安いからではなく、使える場面が多いからです。

北海道らしい“焼き鳥”を残している

串鳥を語るうえで面白いのが、北海道らしい焼き鳥文化です。

札幌では「焼き鳥」と言いながら、豚精肉が普通にありますよね。

道外の人からすると、焼き鳥なのに豚?と思うかもしれません。

でも北海道では、それが自然です。

串鳥にも、豚精肉や豚アスパラ巻があります。

ここに、地域に根づいたブランドらしさを感じます。

無理に全国標準の焼き鳥像に寄せるのではなく、北海道の人にとって自然なメニューがある。

これは地味ですが、とても大事なことです。

地域のお客様にとって
「これが普通だよね」
と思えるものを残している。

その積み重ねが、長く選ばれる理由になるのだと思います。

全店直営だから守れる空気感

串鳥が全店直営で展開していることは、単なる経営方式の話ではないと思います。

全店直営だからこそ、味や品質だけでなく、接客、価格、店の雰囲気を一定の範囲で保ちやすい。

もちろん、フランチャイズにも強みはあります。

ただ、串鳥のように「ちょうどいい安心感」が大切なブランドの場合、空気感のブレを抑えることはかなり重要だと思います。

お客様は、細かい経営方式までは意識していないかもしれません。

でも、入ったときの安心感や、どの店舗でも大きく外さない感覚は、確実にブランドの印象になります。

「どんな場面で思い出されるか」がブランドになる

串鳥が強いのは、焼き鳥を食べたい瞬間だけで思い出されるわけではないからです。

「今日は軽く飲みたい」
「相手に気を使わせたくない」
「でも、ちゃんと満足したい」
「無難だけど、つまらなくはしたくない」

そういう場面で思い出される。

これは、かなり強いポジションです。

飲食店に限らず、どんな商売でも同じだと思います。

お客様の頭の中に、
“こういう時はあそこ”
という場所を取れているか。

ここが、選ばれる会社と忘れられる会社の違いになることがあります。

広告やデザインに置き換えると

広告で本当に考えるべきなのは、
「うちは何ができます」だけではなく、
「お客様はどんな場面で、うちを思い出すのか」
だと思います。

ホームページ制作会社なら、ただ「ホームページを作れます」では弱い。

たとえば、

初めてで何から相談していいかわからないとき。
デザインだけでなく、売上や導線まで考えてほしいとき。
地域の感覚をわかっている会社に頼みたいとき。
制作物をバラバラではなく、営業や集客に使える形で整えたいとき。

こういう場面ごと記憶されると強い。

映像も、デザインも、チラシも、名刺も同じです。

サービス名で覚えられるだけではなく、
“こういう時はあそこ”
と思い出されること。

そのためには、ただ綺麗に整えるだけでは足りません。

自社がどんな場面で選ばれるべきなのか。
どんなお客様にとって、ちょうどいい存在なのか。
どんな不安や面倒を引き受けられるのか。

そこまで言葉にする必要があります。

まとめ:選ばれる会社は、場面ごと記憶されている

串鳥を見ていると、ブランドの強さは派手さだけではないと感じます。

高級感だけでもない。
安さだけでもない。
奇抜さだけでもない。

大事なのは、
お客様がどんな場面で思い出してくれるか
です。

串鳥は、焼き鳥を売っているだけではなく、
「軽く飲みたい」
「相手に気を使わせたくない」
「でも、ちゃんと満足したい」
という場面の受け皿になっている。

だから強いのだと思います。

広告やデザインも同じです。

自社の商品やサービスを説明するだけではなく、
お客様がどんな状況で自社を思い出すのか。

そこまで設計できると、発信はもっと強くなります。

串鳥が“軽く飲むならここ”と思い出されるように、
会社も“こういう時はここ”と思い出される存在になれるか。

広告やホームページの本当の役割は、そこにあるのかもしれません。

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