
最近は、ChatGPTをはじめとした生成AIを仕事に使う会社が増えてきました。
文章を作る。
メール文を整える。
ブログ記事の構成を考える。
SNS投稿の案を出す。
議事録をまとめる。
画像を作る。
ちょっとした調べものをする。
こうした作業にAIを使うことで、仕事のスピードが上がる場面は確かにあります。
特に中小企業の場合、社内に専任の広報担当者やWEB担当者がいないことも多く、AIをうまく活用できれば、今まで手が回らなかった発信や資料作成を進めやすくなります。
ただし、便利だからといって、何も決めずに使い始めるのは少し危険です。
AIはとても便利な道具ですが、使い方を間違えると、会社の信用を落としたり、情報漏えいにつながったり、どこかで見たような薄い発信ばかりになってしまうこともあります。
大切なのは、AIを使うか使わないかではありません。
どう使うかです。
そして、中小企業がAIを使い始める前に、最低限決めておいた方がいいルールがあります。
今回は、特に重要な3つのルールについてお話しします。
ルール1 社外に出してはいけない情報を決めておく
まず最初に決めるべきなのは、AIに入力してよい情報と、入力してはいけない情報の線引きです。
AIを使うとき、多くの人は「何を出力してくれるか」に意識が向きます。
しかし、本当に注意すべきなのは、何を入力するかです。
たとえば、次のような情報は慎重に扱う必要があります。
お客様の名前。
住所や電話番号。
メールアドレス。
契約内容。
見積金額。
社内の売上情報。
取引先とのやり取り。
未公開の企画内容。
個人情報や機密情報。
こうした内容を、そのままAIに入力してしまうと、会社としての情報管理に問題が出る可能性があります。
もちろん、AIサービスごとにデータの扱い方や設定は異なります。
しかし、中小企業の現場では、細かい利用規約まで全社員が理解しているわけではありません。
だからこそ、会社としてシンプルなルールを決めておくことが大切です。
たとえば、
個人名は入れない。
会社名や取引先名は仮名にする。
金額や契約条件は伏せる。
顧客とのメールをそのまま貼り付けない。
未公開の情報は入力しない。
このような基本ルールだけでも、かなりリスクを減らすことができます。
AIは、社内の何でも相談できる人ではありません。
外部のサービスを使っているという意識を持つ必要があります。
便利だからこそ、入力する情報には注意する。
これが、AI活用の最初のルールです。
ルール2 AIの文章をそのまま使わない
次に大切なのは、AIが作った文章をそのまま使わないことです。
AIは、それらしい文章を作るのが得意です。
丁寧で、整っていて、読みやすい文章を短時間で出してくれます。
しかし、そこで注意したいのは、「読みやすい文章」と「伝わる文章」は違うということです。
AIが作る文章は、どうしても一般的になりやすい傾向があります。
たとえば、
お客様に寄り添います。
高品質なサービスを提供します。
地域に密着しています。
丁寧に対応します。
安心してお任せください。
このような言葉は、どの会社にも使えてしまいます。
一見すると綺麗ですが、その会社らしさはあまり伝わりません。
中小企業の発信で大切なのは、整った文章よりも、その会社らしい言葉です。
実際にどんなお客様と向き合っているのか。
どんな仕事をしてきたのか。
現場で何を大切にしているのか。
社長やスタッフがどんな想いで仕事をしているのか。
そうした具体的な情報が入って初めて、文章に温度が出ます。
AIが作った文章をそのまま使うと、どこかで見たような文章になってしまうことがあります。
ブログ記事も、会社案内も、採用ページも、SNS投稿も同じです。
AIは下書きには使えます。
構成案を出すのにも使えます。
言い回しを整えるのにも使えます。
しかし、最後に会社の言葉にするのは人間の仕事です。
具体例を入れる。
自社の実績に置き換える。
地域名やお客様の悩みを入れる。
社長の考え方を反映する。
言いすぎていないか確認する。
このひと手間を入れることで、AI文章はただの一般論ではなく、会社の発信として使えるものになります。
AIを使うこと自体は悪いことではありません。
問題は、AIに任せきりにしてしまうことです。
AIの文章をそのまま使わない。
必ず自社の言葉に直す。
これが2つ目のルールです。
ルール3 最終確認する人を決めておく
3つ目のルールは、AIで作ったものを誰が最終確認するのかを決めておくことです。
AIは便利ですが、間違えることがあります。
事実と違うことを書くこともあります。
古い情報をもとにしてしまうこともあります。
専門的な内容を、それらしく間違えることもあります。
言葉は自然でも、内容が正しいとは限りません。
だからこそ、AIで作った文章や画像、資料を公開する前には、必ず人間が確認する必要があります。
特に注意したいのは、専門性が関わる内容です。
法律。
税務。
医療。
建設。
保険。
不動産。
補助金。
契約。
こうした分野では、少しの表現ミスが大きな誤解につながることがあります。
また、会社のサービス内容についても注意が必要です。
実際には対応していないことを、AIが勝手に書いてしまうかもしれません。
料金や納期について、誤解を生む表現になるかもしれません。
「必ずできます」「絶対に効果があります」といった言い方になってしまうこともあります。
そのまま公開してしまうと、後でトラブルになる可能性があります。
そのため、会社として、誰が最終チェックをするのかを決めておくことが大切です。
ブログ記事なら担当者。
採用情報なら責任者。
専門的な内容なら有資格者や社長。
SNS投稿なら広報担当または代表者。
ホームページに掲載する文章なら、制作会社と社内責任者の両方。
このように、公開前の確認体制を決めておくと安心です。
AIは作業を助けてくれる道具です。
しかし、責任を取ってくれる存在ではありません。
最終的に会社の名前で発信する以上、その内容に責任を持つのは会社です。
だからこそ、AIを使うなら、確認する人を決める。
これが3つ目のルールです。
AIを禁止するより、使い方を決める方が現実的
AIに不安を感じる会社もあると思います。
情報漏えいが怖い。
間違ったことを書かれそう。
社員が勝手に使うのが心配。
文章が薄くなりそう。
そのような不安は自然なものです。
ただ、これからの時代にAIを完全に避け続けるのは、あまり現実的ではありません。
すでに多くの人が、検索、文章作成、資料作成、画像作成、要約などでAIに触れています。
社員が個人で使っている可能性もあります。
だからこそ、会社として大切なのは、禁止することよりも、使い方を決めることです。
何に使ってよいのか。
何を入力してはいけないのか。
どこまでAIに任せてよいのか。
誰が確認するのか。
公開前に何をチェックするのか。
このあたりを決めておくだけで、AIは危ないものではなく、仕事を助ける道具になります。
中小企業こそAIをうまく使える余地がある
中小企業は、大企業のように部署ごとに人材が揃っているわけではありません。
広報担当者がいない。
WEB担当者がいない。
採用担当者が兼任。
SNSも社長やスタッフが片手間で更新している。
そういう会社は多いと思います。
だからこそ、AIをうまく使う価値があります。
ブログの構成を考える。
文章のたたき台を作る。
お知らせ文を整える。
SNS投稿の案を出す。
よくある質問を整理する。
採用ページに載せる項目を考える。
営業資料の見出しを出す。
こうした作業をAIに手伝ってもらえば、これまで止まっていた情報発信を進めやすくなります。
ただし、そのまま使うのではなく、自社の情報、自社の言葉、自社の責任で整えることが前提です。
AIは、何もないところから会社の魅力を勝手に見つけてくれるわけではありません。
会社の強みや実績、現場のこだわり、代表者の想いをAIに反映させるには、まず自社の情報を整理しておく必要があります。
その意味では、AI活用と情報整理はセットです。
情報が整理されていない会社ほど、AIを使っても一般的な文章になってしまいます。
逆に、会社の情報が整理されていると、AIはかなり頼れる補助役になります。
AI時代でも、最後に差が出るのは会社らしさ
AIが広がると、文章を作ること自体は簡単になります。
誰でも、それなりに整った文章を作れるようになります。
だからこそ、これからは「文章があること」だけでは差別化になりにくくなります。
大切なのは、その文章に会社らしさがあるかどうかです。
どんな経験をしてきた会社なのか。
どんなお客様に選ばれているのか。
どんな地域で仕事をしているのか。
どんな人が対応しているのか。
何を大切にしているのか。
この部分は、AIだけでは作れません。
AIは文章を整えることはできます。
でも、会社の歴史や現場の空気、お客様との関係性までは、会社の中にしかありません。
そこを引き出して、整理して、伝わる形にすることが大切です。
AI時代だからこそ、人の言葉や会社の実体がより重要になる。
これは、中小企業の情報発信にとって大きなポイントです。
まとめ
中小企業がAIを使う前に決めておきたいルールは、大きく3つあります。
1つ目は、社外に出してはいけない情報を決めておくこと。
個人情報、取引先情報、契約内容、社内の機密情報などを、安易にAIへ入力しないルールが必要です。
2つ目は、AIの文章をそのまま使わないこと。
AIが作った文章は便利な下書きになりますが、そのままでは一般的な表現になりやすく、会社らしさが出にくくなります。
3つ目は、最終確認する人を決めておくこと。
AIは間違えることがあります。会社の名前で発信する以上、公開前には必ず人間が確認する必要があります。
AIは、正しく使えば中小企業の力になります。
しかし、何も決めずに使うと、情報漏えいや誤情報、薄い発信につながる可能性もあります。
大切なのは、AIを怖がることではなく、会社として使い方を整えることです。
ガイネットでは、ホームページ制作やブログ記事作成、SNS運用、会社情報の整理などを通じて、中小企業の情報発信をサポートしています。
AIを使う時代だからこそ、会社の強みや言葉を整理し、伝わる形に整えることが大切です。
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株式会社ガイネット代表取締役 趣味は神社仏閣巡り 初めてホームページを作ったのは20年以上前。そこから2社ほどで修行し33歳でフリーランスに、色々あって今さら法人設立。WEBとデザインの何でも屋であり書家でありYouTuberです。