
北海道のお土産といえば、まず名前が挙がるのが六花亭。
定番商品も多く、店舗に行けばどれも安定して美味しい。
ただ、よく行く人ほど感じたことがあるはずです。
「前にあったあの商品、今日は置いてないな」と。
これ、たまたまではありません。
むしろ、六花亭のビジネスはこの“揃っていない状態”を前提に設計されています。
製造・物流・販売をすべて握っている
六花亭の最大の特徴は、製造から販売までを自社でコントロールしている点です。
多くの菓子メーカーは卸を通して商品を流通させますが、六花亭は直営店舗が中心。
そのため、「何を・いつ・どれだけ出すか」を自分たちで決めることができます。
ここまではよくある話ですが、重要なのはその先です。
六花亭は、「何を売るか」だけでなく、
「何を出さないか」まで設計している会社なんです。
「全部揃える」をあえて捨てている
普通のビジネスであれば、売れる商品は常に並べておきたいものです。
機会損失を避けるためですね。
しかし六花亭は違います。
・日持ちしない商品は無理に並べない
・回転が落ちる商品は一時的に引っ込める
・季節やタイミングでラインナップを変える
つまり、「全部揃えること」をあえてやっていない。
その結果として生まれるのが、
「欲しかった商品がない」という体験です。
欠けを作ることで、選択を前に進める
この体験、一見するとマイナスに見えます。
ですが、実際には逆です。
人は選択肢が多すぎると、決められなくなります。
そして最悪の場合、何も買わずに帰る。
六花亭はここを理解しています。
あえて選択肢を絞ることで、
「今ある中から選ぶしかない状態」を作っているんです。
しかも価格は手に取りやすいラインに設計されている。
だから、
「じゃあこれでいいか」
が
「これ、美味しいな」に変わる。
この流れで購買が止まらなくなります。
「また来る理由」を商品で作っている
さらに面白いのがここです。
欲しかった商品がなかった時点で、
自然と「また来る理由」が生まれます。
しかもそれはネガティブではありません。
「今回はなかったけど、また見に行こう」になる。
多くの店舗は、ポイントカードや割引でリピートを作ろうとします。
しかし六花亭は違う。
商品構成そのものでリピートを設計しているんです。
ゴールデンウィークでこの構造が加速する
この設計は、ゴールデンウィークのような時期に特に強くなります。
GWは「時間に余裕がある人」が増えるタイミングです。
普段であれば
「買って帰る」だけだった行動が、
・少し寄ってみる
・その場で食べる
・ついでにもう一つ買う
に変わります。
六花亭は、
・持ち帰り商品(お土産)
・その場で食べる商品(生菓子・イートイン)
この両方を持っています。
だから、1回の来店が複数の購買に分解される。
滞在時間そのものを売上に変えている構造です。
六花亭は「在庫で売る会社」ではない
ここまでをまとめると、六花亭は単なる菓子メーカーではありません。
「在庫を並べて売る会社」ではなく、
「選ばせ方と回転で売上を作る会社」です。
・全部を見せない
・今選ばせたいものだけ出す
・あえて欠けを作る
・次回来店の理由を仕込む
これらがすべてつながっています。
これはホームページや広告にもそのまま当てはまる
この考え方は、マーケティングにも直結します。
多くのホームページは、
「全部載せること」が正解だと思っています。
ですが、それでは人は迷います。
そして、動かない。
重要なのは逆です。
・今見せたいサービスだけを打ち出す
・あえて情報を絞る
・次のアクションを設計する
全部見せるのではなく、選ばせること。
欲しいものを全部並べるか、選ばせるか
六花亭がやっているのは、
商品を売ること以上に「選択の流れ」をコントロールすることです。
欲しいものをすべて揃えるのか。
それとも、今ある中から選ばせるのか。
この違いは、売れ方にそのまま表れます。
あなたのビジネスはどうでしょうか。
すべてを並べて満足していませんか。
それとも、選ばせる設計までできていますか。
デザイン系の専門学校卒業後、WEB動画系会社、フリーランスを経て現職へ。株式会社ガイネット取締役。映像制作、SNSプロデュース、グラフィックデザイン、イラストを手掛ける。