デザインが安くなる理由とは?クリエイターが価値で勝つための考え方【ギバーとテイカー】

最近、スレッズをよく見ています。メタ社がXに対抗して出している新しいSNSです。

自分に興味のある人の投稿が自分のタイムラインに勝手に出てくるアルゴリズムを持っていて、使っているうちに興味のある投稿がたくさん出てくるというところが面白くてよく見ています。

質問したら答えてくれる様な人が沢山現れたり、ニッチなところや地域限定の情報も出会えるようになっており、名前が分からないけどお礼が言いたいという投稿に本人が見つかってそんなところがスレッズの奇跡などと言われることもあります。

そんな、スレッズを見ていた時にお店の制作物を安くやって欲しいという投稿に、仕事の無いフリーランスデザイナーらしき人たちが沢山返信があって思うことが多々ありました。

今日はそんなことをまとめてみます。

デザイン業界に広がる“安さの構造”と、ギバーという選択

デザインを格安、あるいは「経験のため」という名目で募集する投稿。

そしてそこに一斉に群がるゾンビフリーランス。

どちらか一方が悪いという単純な話ではありません。
この構造そのものが、今のクリエイターの価値を少しずつ削っているように感じます。

参入障壁が下がった時代の裏側

デザインスクールを出ても仕事が取れない人がいる一方で、無料の編集ツールが広がり、誰でもそれっぽいものが作れるようになりました。

さらにAIの登場によって、画像すら瞬時に生成できる時代です。

参入のハードルは確実に下がりました。
しかしその分、「プロである意味」はより厳しく問われるようになっています。

なぜ価格が崩れるのか

「1000円でもいいのでやらせてください」という声が溢れている現状を見ると、これは個人の努力や根性の問題ではなく、構造の問題だと感じます。

仕事がないから安く受ける。
安く受ける人がいるから価格が崩れる。
価格が崩れるから、まともに価値提供している人が消えていく。

この流れは静かですが、確実に業界を弱らせていきます。

無意識のテイカーという存在

この問題は、発注する側だけの話ではありません。

無意識に安く発注してしまう事業者も、自分の価値を下げてでも受けてしまうクリエイターも、どちらも同じ構造の中にいます。

いわゆるテイカーという言葉がありますが、本当に厄介なのは悪意のあるテイカーではなく、「無意識のテイカー」です。

価値を理解しないまま依頼する側と、価値を理解しないまま引き受けてしまう側。
その両方が、気づかないうちに価値を削り合っています。

ギバーとは「安くやる人」ではない

本来のビジネスは、ギブから始まるものです。

ただしここで言うギバーとは、安くやる人ではありません。
価値を渡す人です。

相手の事業を理解し、成果を設計し、見た目だけではなく意味をつくる。
そこに時間も経験も思考も使っている以上、それは当然対価が伴うものです。

ギバーとは、自分の価値を安売りする人ではなく、自分の価値を理解した上で提供できる人のことです。

消耗する人と残る人の違い

ここを履き違えると、ただ消耗するだけになります。

実際、フリーランスで長く食べていける人は多くありません。
数年で消えていく人が多いのも、この構造が関係しています。

いい仕事をする人は、ちゃんと残ってほしい。

価値を守るという意識

そのためには、仕事を取ることだけではなく、自分の価値を守る意識が必要です。

デザイナーと名乗るなら、単なる作業者ではなく価値提供者であるべきです。

そして発注する側も、価格だけで判断するのではなく、その裏にある価値を見てほしい。

ギバー同士がつながる世界へ

ギバー同士が繋がれば、自然と良い循環が生まれます。
しかしテイカー同士が繋がると、残るのは消耗だけです。

この業界を良くするのは特別な誰かではなく、一人ひとりの意識の積み重ねです。

『GIVE & TAKE』を通して見えた「ガイネットの思想」

GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代という一冊があります。

この本では、人は「ギバー(与える人)」「テイカー(奪う人)」「マッチャー(バランスを取る人)」の3タイプに分かれるとされています。そして興味深いのは、最も成功するのも、最も失敗するのもギバーだという点です。

つまり「与えること」自体が正解なのではなく、「どう与えるか」がすべてだということです。

この考え方は、私たちの思想と非常に重なります。

なぜ、やっているのに成果が出ないのか。
答えはシンプルで、整理されないまま作っているからです。

ただ作るだけでは価値にはなりません。
何を伝えるのか、誰に届けるのか、どう成果につなげるのか。

それらを整理し、設計し、初めて「価値」として成立します。

ここを飛ばしてしまうと、どれだけ時間をかけても「作業」で終わります。
そして作業は、価格競争に巻き込まれます。

一方で、整理・設計されたものは「価値」になります。
価値になるからこそ、対価が発生します。

ギバーとは、単に与える人ではありません。
価値を設計し、それを届ける人です。

安く受けることはギブではなく、価値を崩す行為です。
本当のギブは、相手の成果に繋がる設計を渡すことです。

だからこそ私たちは、作る前に整えることを大切にしています。

整理・設計・実装・運用。
この流れの中で価値を作り、それを届けていく。

それが結果として、信頼となり、仕事となり、長く続く関係になると考えています。

まとめ

安さでつながる関係は、長くは続きません。
価値でつながる関係だけが、積み上がっていきます。

せめて自分は、価値を渡す側であり続けたいと思います。

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